いつから始めるのがいいの? 脳の発達からみる子ども習いごとを始める時期と選び方
更新日: 2022.04.15
投稿日: 2022.03.04
日本では古くから伝統芸能の手習は、6歳の6月6日から始めると縁起が良いとされてきました。
今や子どもの習い事はピアノや体操、水泳やプログラミングなど、年を追うごとに種類が増え、その始める時期も早まっています。
「早ければいい」という訳ではないけれど、周囲の子どもたちが習いごとを次々に始めると焦ってしまうもの。
そんな風潮に流されることなく、自分の子どもに合った習いごとの選び方や開始時期を見極めたいですよね。
子どもの脳の成長に合わせた、ぴったりな習いごとの始めどきをご紹介します。
もくじ
子どもが習いごとをするメリットとは…
親であれば「子どもの可能性を広げてあげたい」「能力を伸ばしてあげたい」と思いますよね。
一流のアスリートなどが、「(スポーツに)幼い頃から取り組んでいた」「親のアドバイスで始めた」などと話しているのを聞くと、子どものために何か見つけてあげたいと思うのが親心です。
習いごとをすることで、
◯ 興味や好奇心が育つ
◯ 学校以外の友だちができる
◯ 視野や世界が広がる
◯ 継続することで精神力が養われる
◯ 子どもの自信になる
など、さまざまなよい面があります。
ただし、習いごとにはお金がかかり、子どもの自由な時間も少なくなってしまうというデメリットも。
また始めるのはいいのですが、止めどきの見極めが難しいのも習いごとの特徴。
子どものやる気や興味、子どもの遊びの時間などとバランスを測り、子どもと話し合いながら慎重に選びましょう。
脳の発達に合わせた習いごとをすると効率的
子どもの脳は、後頭部のあたり(後頭葉)から左右の側面(側頭葉)、そして頭のてっぺん(頭頂葉)、最後におでこの上周辺(前頭葉)へと発達が進むといわれています。
脳の発達段階に合わせて習い事を選ぶと、飲み込みも早くぐんぐんと吸収していきます。
また将来の学習能力や非認知能力の習得にも関わることもあるので、適した時期に適した習い事を選びたいですね。
乳児期(0〜2歳くらいまで)
後頭葉から側頭葉が発達するので、ものを見たり、音や言葉を聞いたり、主に「感じる」ことが大切な時期です。
この時期は習いごというよりも、親子のスキンシップをたくさん取って、いっぱい遊んであげましょう。
親子の愛着がしっかり形成されることで、安心感や信頼感、自己肯定感が育ち、その後の好奇心ややり抜く力につながっていきます。
本の読み聞かせや手遊び、公園での追っかけっこなど、親子で一緒に楽しめるものがおすすめです。
また聞く力が発達する時期なので、歌や音で遊んだり、音楽に触れる経験もたくさんできるといいですね。
もし習いごとをしたいなら、お父さんやお母さんがマッサージをする「ベビーマッサージ」や、親子で水の中で遊ぶ「ベビースイミング」など、親子で取り組めるものにしましょう。
幼児期〜未就学児(3〜5歳くらいまで)
小学校入学前の3〜5歳は、体の感覚や動き・空間の理解が進む時期で、運動脳がもっとも発達する時期です。
体操や水泳、バレエやダンスなど体を動かす運動系の習いごとは3歳以降に始めるのがいいでしょう。
この時期にスポーツに取り組むと、脳だけでなく骨格がしっかりと育ち、体力も運動能力も鍛えられます。
またピアノやバイオリンなどの楽器の習いごともおすすめです。
特に楽器は指先も使いながら楽譜を見て、「今演奏する音と次に弾く音符」を同時に処理するため、膨大な情報が脳内をめぐります。
この時期に楽器を習った子どもは、その後、英語などの語学のリスニングが得意になるという傾向もあるそうです。
小学生以降(6歳〜思春期ころ)
脳のなかで最後に発達するのが、前頭葉です。
この時期は複雑なことも理解し、記憶や思考、協調性や判断力、コミュニケーションといった「高次認知機能」がぐんと伸びます。
ルールを理解し、自分だけでなく周囲にも目を配れるようになるのでチームスポーツを始めるのがよいでしょう。
また将棋やロボット組み立て、プログラミングなどの頭を使う習いごとを始めるのもベストタイミング。
そして前頭葉の言語野も発達する時期なので、外国語の習得も効率よくできるといわれています。
子どもには適した時期に適した習いごとが効率的
語学の習得など、「早ければ早いほど飲み込みが早いのでは?」と思ってしまいがちですが、実は日本語をしっかり習得してからのほうが、効率よく外国語を身につけられるのだそう。
〇幼い頃は、親子の時間を大切にして、スキンシップを中心に。
〇就学前時期は、伸びやかに楽しく体を動かしたり、音楽に親しんだり、「楽しさ」「好奇心」を最優先に。
〇小学校入学以降は、ルールやチームプレイを学ぶスポーツや外国語の習得、頭を使う系の頭脳学習など、子どもの興味の持てる分野で。
このような目安があると、習いごと選びにも迷いませんね。
ただしこれは、一般的な時期のお話。
「子どもがどうしてもサッカーをやりたがる」「赤ちゃんなのにピアノから離れない」など、子どもによって個性があるでしょう。
大人の考えや好みだけで習いごとを選ばず、子どもの視野や可能性を広げてあげられるような分野を一緒に探したいですね。
習いごとを選ぶときの注意点
幼稚園や保育園などの集団生活が始まると、子どもの習いごとは親たちの話題にのぼります。
習いごとを始めるきっかけは、「お友達から誘われた」「体験会などで勧誘された」というケースもあるでしょう。
「この教室からはプロの選手が出た」「有名な先生が教えている」など、魅力的な宣伝文句を掲げる教室もあるかもしれません。
しかし子どもの可能性を最大限に伸ばすのは、子ども自身の「興味と関心」。
子どもの好奇心や「ここに通いたい」という気持ちを最優先して選びましょう。
また子どもは年齢が上がるほど親に遠慮をしたり、親の望む通りにふるまいたいと考えるものです。
何気なく子どもの気持ちを聞き出したり、子どもの様子を観察して、無理をさせないことも大切ですね。
習いごとは「何をさせるか」よりも、「ねばり強く続ける」「あきらめずに何度もトライする」という経験の方がずっと大切になります。
子どもの気持ちや個性に合ったならいごとが、やり切る力や困難に立ち向かう力を養ってくれ、子どもの可能性を広げてくれるでしょう。
・習いごとは、子どもの脳の発達のタイミングと合わせると効果が高い。
・2歳までは親子のスキンシップを中心に、就学前は体を動かしたり楽器の習得を始める時期。6歳以降はチームスポーツや語学、頭脳学習を始めるとよい。
・子どもの興味や感心、「楽しい」という気持ちを最優先して選ぶことが大切。
習いごとを決めるというのは親目線からすると、子どもがやりたいから、何でもかんでもやっていいよ!と言うようにはなりません。大切な我が子にしっかりと成長してほしい、できるならその習い事の分野で活躍してほしい!などの気持ちが出てしまうものではないでしょうか?ですが、やはり大切にしなくてはならないのは、子どもの気持ちや想いということを改めて感じさせられました。子どものやりたい!という気持ちがなければ、長続きはしないですし、上達はしないですよね。。。親の気持ち、子どもの想い、家庭環境のバランスを考えながら、本当の意味で子どもに合った習い事を選んでいきたいですね!
また、脳の発達から見た習い事の決め方はとても大切だと感じました。早い段階からたくさん触れさせるのも大切かもしれませんが、その子の成長スピードや発育発達をふまえて選んでいくこともとても重要なことですね!これを機に改めて習い事に関してお子様とお話してみてはどうでしょうか!?
(参考文献)
・『0〜5歳児の非認知能力 事例でわかる社会情動的スキルを育む保育』(佐々木晃著)
・るるぶKids | 子どもの習いごとは何歳から? 脳科学者に聞く赤ちゃん・幼児・小学生のおすすめは?
・まなびち | 保存版! 子供の習いごとはいつからがいい?
・ダイアモンドオンライン | 子どもの習い事は「楽器」が最高なワケ
・ソニー生命 |子ども脳も大人脳も「好奇心」で成長する 脳に効く習い事